薪ストーブについて
薪ストーブについて、お客様からよく聞かれるご質問です。内容は順次追加します。
薪ストーブの設置について
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薪ストーブは一般住宅に設置可能ですか?
はい、可能です。
家の設計にもよりますが、ほとんどの家で設置可能です。新築の住宅ですと設計の段階から考えていけるので、よりスムーズに工事が行えますし、既存の住宅に設置をする場合でも煙突の抜く位置と高さを確保し、設置場所とその周りの補強工事(壁は耐火仕上げにしたりと)をすれば後からでも充分、設置可能です。設置を考えられてる方はご自宅の図面や資料を、お店の方に持ってきて頂いたら具体的なご相談にも応じられると思います。
お気軽にお問い合わせください。 -
薪ストーブを設置するためにかかる費用は?
総額費用としては、おおむね70~110万円程度必要になります。
この金額は、薪ストーブ本体の値段、煙突の長さと種類によって変わっていきます。薪ストーブ本体の値段はカタログ等で確認できますが、煙突の金額は建物の高さや形状、外部への抜き方により大きく変わります。詳しくはご相談ください。
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薪ストーブの設置場所は?
一般的な住宅の場合では、ほとんどがリビングかダイニングに設置しています。
他に土間がある部屋や、薪ストーブで料理をするためキッチンに設置する場合、吹抜けがある部屋などに設置して2階の部屋までいっぺんに効率よく暖めるなど、設置する場所はさまざまです。 部屋に置く位置は設計条件にもよりますが、輻射式のストーブでは前後左右に熱が放射されるため部屋の中央に置くのが最も効率がよく、また限られる設置場所では暖めたい空間の広がりを考え暖気を行き渡らせたい方向に向けて設置するのが好ましいでしょう。 ただ、薪をくべるのであまり離れ過ぎているとかえって不便になってしまうことがあり、設計の段階から良く検討する事が大事です。 それと、ストーブの近くに薪を置くスペースを確保することが必要ですね。
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薪ストーブの設置についての安全基準はあるのですか?
はい、あります。
日本の安全基準、国が定めている建築基準法、消防法における薪ストーブ、暖炉の記述はごくわずかですが、日本暖炉ストーブ協会(Japan Fireplace & Stove Association) では薪ストーブの安全性を高めるため「暖炉・ストーブ設置工事安全基準ガイド」を作成し、指導しています。 薪ストーブは木製の床などの可燃素材の上に置いてはいけません。また壁とストーブとの安全な距離も定められています。 薪が爆(は)ぜて火の粉が飛び床が焦げる場合や、ストーブから発せられる輻射熱によって火災が起こる恐れがあるからです。また、80度位の温度で毎日のように長く熱した場合、建築の仕上げ材や構造材が徐々に炭化して火災を発生させる「低温炭化火災」がおこることもあります。 この事故を防ぐために次のような事が重要になります。
1. 床(ステージ)の仕上と安全な距離
2. 可燃物までの最低距離 3. 炉台(壁)の構造(仕上材)と離隔距離
HICKORYでは、安全基準と熱効率を考慮したうえ、最良のストーブ設置の計画と施工を行っております。
薪ストーブの選び方について
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薪ストーブの選び方を教えてください。
まず、薪ストーブを焚く目的をはっきりさせることです。
主たる暖房が薪ストーブだけなのか、他の暖房器具と併用させるのか、薪ストーブでも料理をするのか、など。これらをはっきりさせることで薪ストーブのタイプや暖房能力は決まってきます。また、設置する部屋の面積、設置場所による扉のタイプ、デザイン、カラーなどそれぞれの建物、空間のバランス、生活スタイルに合った薪ストーブを選ぶことが大切だと思います。
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薪ストーブにはどのようなメーカーがありますか?
日本で製造されている薪ストーブもありますが、現在日本で出回っている薪ストーブはほとんど外国製です。
主な生産国はアメリカ、ノルウェー、デンマ-ク、イギリス、カナダ・・・などですが、寒い所ではほとんどの国で生産されています。当店では主にVermont Castings(バーモントキャスティグス・アメリカ製)、JOTUL(ヨツール・ノルウェー製)、HUNTER STOVES(ハンターストーブ ・イギリス製)、HWAM (ワム・デンマーク製)、Dovre(ベルギー製)、Dutchwest(ダッチウエスト・アメリカ製)、morso (モルソー・デンマーク製)などのメーカーを取扱っております。メーカーや機種によって特徴も様々です。それぞれの用途に合った機種をお選びいただけるよう、アドバイスもいたします。
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薪ストーブはどのような材質(素材)で作られているのですか?
薪ストーブの材質(素材は)主に鋳鉄製(鋳物)と鋼板製(鉄板)があります。
一般的なのは鋳鉄製で、特徴としては暖まりにくいが冷めにくいということです。また、高温に強く弾力性に富み歪むことが少なく、緩やかな輻射熱が得られます。鋼板製は、曲げたり折ったりできるので曲線的にモダンなデザインができます。しかし、高温で焚き続けると歪んでしまうことがあり、一度歪むと修理するのは大変です。性質としては、鋳鉄製と逆ですぐに暖まるが、冷えてしまうのも早いということです。
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薪ストーブのタイプにはどのようなものがありますか?
薪ストーブは燃焼方式で大きく分けると3つのタイプあります。
それぞれ輻射熱式ストーブ、対流熱式ストーブ、暖炉式(開放型)ストーブです。
輻射熱式ストーブ
薪ストーブの典型的なタイプで、ストーブ全体から熱を発し、主暖房としては最適です。鋳物の「熱しにくいが、冷めにくい」特性を強く感じれるタイプです。凹凸をつけ表面積を広くし、輻射熱の放射の高率をアップさせたデザインのものが多く、日本のダルマストーブがこのタイプにあたります。対流熱式ストーブ
薪ストーブの構造としてはいちばん複雑なタイプです。 外部からは解りませんが、内部にもう一層本体を囲った二重構造になっていて、その鋳物と鋳物の間にある空気を暖め、自然対流で室内に噴き出させるようになっています。薪の燃焼に必要な空気の取入れ口と、対流させる必要な空気の取入れ口が別々にあります。 また輻射式ストーブと比べれば部屋を若干早く暖めることができます。正面のドア以外は比較的高温になりにくいので、安全性が高いというのも特徴です。暖炉式(開放型)ストーブ
ストーブ本体(火室)に扉がついておらず、密閉されていないタイプです。 燃える薪の炎を直接見えるのは魅力的ですが、暖炉同様熱のほとんどが煙突より排出されるため、燃焼効率は他の2タイプより劣ります。したがって部屋を暖める主とした暖房として使うより、炎が見えるインテリアとしたストーブに適しています。 -
最大暖房面積を参考に選べば良いのですか?
各メーカーのカタログにはすべての機種に最大出力と暖房能力
(面積)が記されていますが、あくまでも目安となります。しかし家の構造、部屋の広さや容積などの要因の違いによっても、暖まりかたは変わってきます。そのため、○m2(○坪)の広さの部屋に□kcal/hのストーブで良いと端的に決めることはできません。 また、寒冷地域かどうか、吹抜けがある部屋や窓の熱貫通率、ログハウスなど構造の違いなども考慮しなければいけません。 これらを踏まえた上で通常の表示の1.5~2倍の能力のストーブを選択することもあります。
薪ストーブのしくみについて
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薪ストーブの構造と仕組みはどうなっているのですか?
燃焼効率を高めるための仕組みとなっています
少ない燃料(薪)で燃焼効率を高めるため薪ストーブは日々研究、開発がされています。 暖炉との根本的な違いは小さな空気の入口を調節して燃焼に必要なだけの空気をとり入れ、薪を長時間燃焼させることで表面から発した輻射熱や、対流させた暖かい空気で部屋を暖めるという仕組みです。そして各ストーブには調整のためのエアコントロール、ダンパ-といった機能を付け、またより効率のよい燃焼のために、キャタリティックコンバスター(触媒)やバッフルといった機能が付いています。
薪ストーブの構造、空気の流れ、燃焼のシステムについて
(図は対流式と輻射式を兼ね備えたタイプのストーブの場合です)- 燃焼に必要な空気はここから入り、火室(一次燃焼室)内に送られます
- 扉のガラスに煤(スス)が付かないように循環し、燃焼に使われるバッフルにより火室内の薪が完全に燃えるような流れになります。
- コンバスターを通り完全燃焼し、さらにニ次燃焼室を通りながらストーブトップを暖めます。
- 完全に燃焼された空気は煙突を通り排出されます。
- 対流するための空気は対流専用のとり入れ口から入ります。
- 空気は二重構造になった本体のすき間を通り、火室からの熱で暖めらます。
- そして、噴き出し口より自然対流で熱が放出されます。
参考
薪ストーブ各部の名称1 薪ストーブ各部の名称2 -
触媒方式、非触媒方式の意味と違いを教えてください。
触媒方式は、キャタリティックコンバスターと呼ばれる触媒に煙を通し二次燃焼するシステムで、非触媒方式は、薪から排出された煙に二次空気として酸素を供給し二次燃焼を促す方式です。
触媒方式は、キャタリティックコンバスターと呼ばれる触媒に煙を通し二次燃焼するシステム
です。この触媒はセラミック製の蜂の巣状の円筒で、煙に火が着く温度にまで下げるものです。つまり触媒内では通常よりも低温で煙が再燃焼(二次燃焼)されます。非触媒方式は、薪から排出された煙に二次空気として酸素を供給し二次燃焼を促す方式です。これをクリ-ンバーン方式と言います。
それぞれの特徴を比較すると、触媒方式の方は低い温度で二次燃焼を開始する事ができ、燃焼効率も非触媒方式を上回ります。しかし、触媒はメンテナンスが必要で最終的には交換の必要もあります。定期的な交換部品が少ない分、非触媒方式の方がコスト面では優れていると言えます。 操作面では、触媒方式には二つの排煙経路があり、ダンパーにより一つか二つか切り替えれるようになっています。非触媒方式に比べるとより細かな調整が可能です。とはいえ、非触媒方式の操作がチープなものということでは無く、シンプルで簡単だとも言えます。
また新しい燃焼方式として、触媒方式と非触媒方式の利点を兼ね備えた機種も登場しています。キャタリティックコンバスターの替わりにセラミックファイバー製の二次燃焼ボックスを搭載しています。二次燃焼ボックスが高温になる事で排出された煙を二次燃焼するシステム は、クリ-ンバーンをより強化したものと考えてもいいでしょう。 どの方式も優れている点があり、どれが良いということはありません。操作性やコスト面、その他にも各メーカー特色のある薪ストーブを出しています。 相対的に見てどういったスタイルが一番自分に合っているかを考えて選ぶ事が大事です。
煙突について
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薪ストーブの煙突の出し方にはどのような方法があるのですか?
薪ストーブを壁際に設置する場合、煙突は屋根から出す方法と壁から出す方法があります。
家(住宅)の設計条件にもよりますが、平屋建てや2階建てでも吹抜けがあれば屋根に出せるのですが、総2階建てになっている建物や既存の建物に薪ストーブを設置する場合などは壁出しにせざるを得ない事があります。
煙突の施工例
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煙突のデザインと煙突の部材はどのようなものがあるのですか?
煙突のデザインは大きく分けて3つのパターンがあります。
フラッシング型・ボックス型フラッシング・チムニ−トップ型です。それぞれの家のデザインによって煙突の形状も変わります。
煙突の施工例
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煙突の設置について安全基準はあるのでしょうか?
煙突はストーブと同様、直接火に触れているので火災を起さないためにも
慎重に検討する必要があります。また煙突を抜く位置や高さは、効率良く燃焼させるためにも重要なことです。
煙突を上げる方法は「屋根出し」と「壁出し」がありますが、薪ストーブの設置に問題がなければ「屋根出し」をお薦めします。
これは真っすぐに立ち上げることで「壁出し」のように煙突に曲がりが無い分、煙の吸い込みに対して障害がなくなり、燃焼効率が高まるということです。
また「壁出し」の場合、曲がり(エルボ)の部分で煤溜まりが起き、燃焼効率が落ちることも考えられます。 燃焼効率を高めるため、屋根出しにする場合の煙突はストーブの上部から垂直に最低4メートル以上、壁出しの場合は横引き部分が1メートル以内が基準となります。煙突は垂直に長いほどドラフト(煙の吸い込み)が高まります。
薪ストーブの使い方について
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薪ストーブを設置したらすぐに使えますか?
まず最初に「慣らし運転」をしなければいけません。
これは、鋳鉄の薪ストーブの場合、高温に対して馴染みが無く急に薪ストーブの温度を上げたりすると、最悪の場合本体が割れて
しまうことがあるからです。 新しい薪ストーブだけでなく、シーズン始めにまだ薪ストーブが連続運転に慣れていないときもこの慣らし運転をすれば良いでしょう。慣らし運転のしかた(写真の薪ストーブは新品ではありません)
- ローディングドアを開けて着火剤または丸めた新聞紙を入れ、その上に細い小枝(薪)を置く。 (この時ダンパーがある機種はダンパーを全開にする)
- 火を着ける。
- さらに少し太い薪を置く。
- この状態でストーブトップの温度が200度くらいをキープしながら3時間ほど燃やす。 (この時ダンパーがある機種はダンパーを閉じる)
- そのままにして薪ストーブを冷やす。
- 冷えたところで最初から同じ手順(1〜5)を2〜3回繰り返す。
- 本格的な運転に入る。
半永久的ともいわれる薪ストーブも、この「慣らし運転」の善し悪しで耐久性に差が出ることがあります。
最初にこの「慣らし運転」をしないで焚き始め、なんらかの損傷があった場合、保証の対象にならない場合があるので気をつけましょう。
慣らし運転は車と同じ。車を新しく購入した場合、いきなり高回転でスピードを出しながら運転せず「慣らし運転」をします。
薪ストーブも少しずつ熱さに火室を慣らしていくのは、車のエンジンと同じです。 慣らし運転のときは高温にならないように広葉樹を使い、緩やかな燃焼を心掛けるようにしましょう。 - ローディングドアを開けて着火剤または丸めた新聞紙を入れ、その上に細い小枝(薪)を置く。 (この時ダンパーがある機種はダンパーを全開にする)
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薪ストーブにうまく火が着けれません
薪ストーブの操作方法は経験と勘が重要です。
薪ストーブの場合、エアコンやルームヒーターなどとは違い、スイッチひとつで同じ室温を保てれるということはありません。
その日の気温、湿度、薪の大きさ、樹種などの条件によって火のつき方も燃焼も変わります。 薪ストーブの場合、着火でも調整でも「これが正しい」ということはないのです。
自分の薪ストーブの特徴をつかみ、じっくり向き合いながら自分なりのつきあい方を見つけていくことが大切です。上手な着火のしかた
- まず、ダンパーのある機種はダンパーを全開にします。
また、エアコントロール(空気調整)も全開にします。 - 新聞紙を2枚くらいねじり炉内に置きます。
(新聞紙の代わりに専用の着火剤でも良い)
- 細い薪(枯れ枝や家具の端材など)と、中くらいの薪を順番に積み、この状態で火を付け、ローディングドアを閉めます。この時、注意しないといけないのは置いた薪の隙間に燃焼に必要な空気をとってやる事です。
- 薪がぎっしり詰まった状態で積み上げていると細い薪でも火がつかない事もありますので気をつけてください。中くらいの薪に火がつき、全体に炎が安定してくると大きめの薪を投入します。
- 後はストーブトップにある温度計を見ながら操作してやります。
- 温度が150〜200度くらいになったらダンパーを閉じます。同時にエアコントロール(空気調整)を絞りながら空気の流れを控えめにしてやります。
薪ストーブの機種、大きさによって異なりますが、理想的な温度は200〜350度くらいです。この温度を保つため薪を足すタイミングが必要になってきます。炎が燃え盛っている時が火のつきが良いと思われがちですが、薪が熾き火になっている状態の方が温度も高く火のつきも良いのです。また、頻繁にローディングドアなどを開けると新しい空気が入り込んで薪ストーブの温度が下がるので気をつけましょう。
朝まで熾き火で暖かく過したい時などは寝る前に大きな薪を入れ、空気調整(エアコントロール)を絞り気味にしておくと良いでしょう。注意点としては大量に薪を入れ急激に薪ストーブの温度を上げないことです。あまり高温で使用すると火室を傷め薪ストーブの耐久性が極端に悪くなる可能性があるからです。
※機種により上記の操作方法が異なる場合があります。
(写真はバーモントキャスティングス、アンコールエバーバ−ン) - まず、ダンパーのある機種はダンパーを全開にします。
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薪ストーブの消火のしかたを教えてください
薪ストーブは他の暖房と違って消火スイッチなどはありません。
着火時と反対で火室に空気を送り込まないようにしてやって酸欠状態にし、空気の流れを無くせば消火することができます。
消火のしかた
ダンパー、エアコントロール(空気調整)を閉じている事を確認してください。 暖炉式(開放型)ストーブの場合は燃え尽きるのを待たないといけませんが、密閉型の薪ストーブは特に完全に消火するのを待つ必要はありません。
灰受けに熾き火が残っている可能性があるので灰を捨てる時は注意しましょう。 また、水をかけて消化するなど絶対にしてはいけません。
薪について
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薪に向く木と向かない木があるのでしょうか?
薪は針葉樹系の軟木と広葉樹系の堅木に分かれます。
薪ストーブの薪に適しているのは、堅木です。広葉樹系の堅木は堅くてズッシリ重く、優れた薪になります。
軟木(火持ちはよくないが、火力がでる針葉樹…マツ・スギ・ヒノキ・ポプラ・ヒバなど)は乾燥しやすく、着火に優れ火力は出ますが火持ちが悪いため、スターターとして使うのはおすすめです。
マツやヒノキなどの針葉樹はヤニを多く含んでいるので燃やした時にクレオソートを多く発生させます。そのため乾燥状態によっては煙突掃除をこまめにする事や、温度が高温にならないよう温度管理をするなどの注意が必要です。また、建築の輸入材(塩分)や集成剤・合板(糊)は薪ストーブ本体を傷めるので薪として使用しない方がよいでしょう。
一般に薪に向く木(中国地方に分布している樹種)
長所 短所 コナラ 比重が大きく火持ちも良くヤニも少ない。中国地方では主に市販の薪として出回っている。 家具材としても使用するので端材としても入手しやすい。 乾燥する速度が遅い。 乾燥すると割れにくい。 クヌギ 比重が大きく、火持ちが良い。 ナラより乾燥が早い。 中国地方では薪としては入手しにくい。 アベマキ 比重が大きく、火持ちが良い。 中国地方では主に市販の薪として出回っているため入手しやすい。 クヌギと比べ樹皮が厚く爆ぜやすい。 カシ 比重が大きく火力があり、火持ちもよい。 薪としては出回っていることが少ない。堅く割れにくい。 ヤマザクラ スモークチップに使われているように香りが良い。 保管をきちんとして乾燥させないと腐りやすい。 ケヤキ 比重が大きく火持ちも良くヤニも少ない。建築造作材などの端材としては入手しやすい。街路樹や公園の剪定で手に入ることもある。 大木になるので大きな幹は薪割りに手間がかかる。堅く割れにくい。 カエデ 火つきがよく、火持ちが良い。家具材などの端材としては入手しやすい。 市販の薪としては出回っていることが少ない。乾燥すると割れにくい。 -
薪を入手するにはどうすれば良いのでしょうか?
薪を入手する方法は束にした薪を買うのが一般的です。
しかし、コストを考えるならば自分で作ることをお薦めします。ここでは薪にする原木を入手する方法をいくつか上げてみます。
- 地元の森林組合か営林署に問い合せ購入する。(倒木があれば無料で譲ってくれることがある)
- チップ工場から原木のままを購入する。
- 薪の生産業者に原木のままを購入する。
- 果樹農家から剪定した木を譲ってもらう。
- 地元の市町村役場に問い合せ、公園や街路樹の伐採した木を譲ってもらう。
- 開発造成業者が開発する時や建築業者が建築する時に伐採した木を譲ってもらう。
- 造園業者や植木屋さんに伐採した木や、剪定した木を譲ってもらう。
- シイタケ栽培業者にいらなくなったほだ木を譲ってもらう。
- 林業家の人や山持ちの人に頼んで木を切らせてもらう。
- 材木屋さんや家具屋さんでいらなくなった木や端材を譲ってもらう。
他にもちょっとしたアイデアで安く入手できる方法があるかもしれません。
自分で苦労して作った薪は、ストーブの暖かさがよりいっそう感じられます。 -
薪の割り方をおしえてください
チェーンソーで丸太を35センチ〜50センチくらいに玉切りし
斧(アックス)を使って割ります。(市販している薪は1尺2寸(約36センチ)です)
大きな薪を割る場合は「薪割り鎚」が最適です。同時に硬くて割りにくい玉切りは薪割り楔(くさび)を使えば比較的簡単に割ることができます。 また、薪の太さによってアックスを取替えて割るのもいいでしょう。
薪割りの注意点としては、薪が割れて飛ぶことがあるので、割るときは人が近くにいないことを確認して行うことが重要です。
薪を割る台座には大きくしっかりした硬木が最適です。この台座の高さは身長にもよりますが、割る人のひざより低いものを選びます。薪の割り方
- 薪割り台座に薪を立てて置く。この場合アックスガ薪に当り損ねたときに台座に当るようにするため、台座の少し向こう半分に立てて置くことがコツです
- 腕を真すぐ伸ばし、薪とアックスが一直線になるよう軽く構え、足の位置を調整しながら台座から正確な位置を決めます。
- アックスの柄を左手でしっかりと握り、右手は軽く握ってスライドさせるようにして振り上げます。
- 腕を真すぐ伸ばし、アックスの自重に任せてまっすぐ振り降ろします。 薪を打つ際にはアックスの柄を水平に保ち、アックスの刃が薪に当るときは両手がアックスの刃より高くならないようにする。
(慢性力が最大になるとき、薪に対してアックスの刃が直角に当るようにすること)
作業するときは身軽な服装で、足元はしっかりとしたつくりの靴を履く。
手には滑り止めやマメ防止に手袋をはめるとよい。ゴムのついた軍手か皮手袋がよいでしょう。硬い薪の割り方
アックスの刃は薪の中央かそれより手前に当るようにするのがコツです。
当然大きな薪は一度では割れません。そこで活躍するのが楔(くさび)と薪割り鎚(ハンマーでもよい)です。- 楔は2本必要で、1本目の楔を薪割り鎚の頭で楔を打ち込みヒビを入れます。
- 1本目の楔を打ち込んでできた割れ目に、もう1本の楔を位置を変えて同様に打ち込みます。
- この作業を何度かくり返し大きな薪を割ります。
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薪はいつ伐ったらいいのでしょうか?
冬に切った木を2年間乾燥させた薪が理想の薪といえます。
切って間もない木の50%は水分です。(これを含水率といいます) その木を薪として燃やすには水分を20%前後まで乾燥させる必要があります。
薪は割られることにより空気に触れる表面積が広くなるので、割られていない薪に比べて早く乾燥させることができます。また、薪にする木を伐採する時期で乾燥する期間が変わってきます。
つまり、最初から含水率の低い時期に切った木を選んだ方が良いということです。 これは樹木が水を吸い上げ始める春に切った木は含水率が高く、逆に葉を落とした秋から冬にかけて切った木は含水率が低く乾燥期間も早いということです。 春から夏場に切った木はその年に使う事は難しく、次の年まで乾燥させた方が良いでしょう。 -
薪の保管はどうしたら良いのでしょうか?
薪の保管をきっちりすることが、楽しい薪ストーブライフのいちばんの条件です。
せっかく割った薪を野ざらしさせた保管方法は、腐ったり乾燥が極端に遅れるので避けたいものです。
薪の保管場所
- 1年分の薪が置ける場所。(これは同じ敷地内でなくても良いが、この場所で薪割りができることが好ましい)
- 建物からあまり遠くない所に保管できること。
※できれば、その日もしくは数日分の薪が室内から取れる場所があればベストです。
(この場合でも雨や雪に濡れない軒や庇があればベストです) - 家の周囲に置く場合 軒下、テラスの下、玄関脇、屋根付きガレージ、その他雨に濡れない場所が理想。
また、すぐ取りに行ける場所も考慮する必要があります。
これらの条件が満たされない場合は薪小屋を作る事をお薦めします。薪の保管方法
- 雨や雪で薪が濡れないように薪の上にシートやトタン板などを被せること。
(このとき側面は覆わないように。風が通らなくなり薪に虫が湧くことがある) - 薪が地面と直接触れないようにスノコなどの台の上に積む。
(薪はカビの発生をなくするため樹皮がついている面を下にする) - 日当たりが良く、風通しのよい所に積み上げる。
薪を早く乾燥させる方法
薪を少しでも早く乾燥させるには、風通しが良い場所を選び、薪を同じ方向に並べるのではなく井桁に組んで積み上がれば良いでしょう。壁に沿って置く場合はぴったりと付けず必ず隙間を開けることが大切です。 乾燥してくると薪がパキパキする音が聞こえてきます。